シリーズ 『ありのままの君に、感動した!』
エピソード2 〝誰も傷つけない!泰然自若な彼の行動にあっぱれ!〟 〜突然の惨事を、笑いに変えてしまった児童のお話し〜
皆んなが楽しみにしてた、バス遠足でのお話しです。
みんなの心はウキウキ。バスの中は、大はしゃぎの子どもたちの声でにぎやかです。
ただ、その騒がしさがどよめきに変わるのは、一瞬の出来事からでした…。
突然…
「わーっ!」という大声が、私のすぐ後ろの席から悲鳴のように、聞こえてくるのです。
様子をのぞいて見ると…
車に酔った1人の児童が、嘔吐してしまったのです。
しかも、 隣の○○君の膝の上に、その吐しゃ物がかかっておりました。
突然の嘔吐と悲鳴…に、事態は最悪の展開。
明るい雰囲気から、ドヨーンした空気に急降下するかの様に思えていました。
その場をどうなだめようかと、私の心中はあたふたし、動揺を隠しきれません。
しかし、その直後…
事態は急展開を迎えることになります!!
一番、災難を被ってしまったのは、言うまでもなく、膝の上に吐しゃ物がかかった隣の○○君です。
彼の気持ちを考えると、どう言葉をかけていいのか、さっぱりわからなかったのですが…
彼のとっさの発言に度肝を抜かれました!!
「朝、魚を食べたんだ」
…
彼は冷静に吐しゃ物を見て、未消化の魚を発見したのでしょう。
悲壮感を一切感じない、とても明るい声でした!!
隣の○○君の明るい声に促されるかのように、笑い声がバスの中にながれました。
申し訳ない、恥ずかしいという思いを持っていた嘔吐した少年も、思わずニヤッとしました。
凍った空気を一瞬にして和らげた隣の○○君のひと言。
恐るべし、隣の○○君の「素」の極みを見ました。
アドリブ力?ユーモア?
いや、〝泰然自若〟という言葉が、その瞬間の彼にはピッタリな様に思えました。
特任ライター
TAIRA
TAIRA
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