5月のモットー「敬愛」

2025年5月1日
小学校

「父母が 頭かきなで 幸(さ)くあれて 言ひし言葉(けとば)ぜ 忘れかねつる」

これは『万葉集』に収められた防人の歌の一つです。
「父と母が『無事でいなさい』と言って頭を撫でてくれた、その言葉が忘れられない」
と詠まれています。

防人とは、北九州の防備にあたった兵士たちのこと。
頭を撫でるという仕草には、無事を祈るおまじないの意味があったとも言われています。

この短い歌の中には、子どもの無事を願う親の愛情と、その愛を受け取って旅立つ息子の思いが凝縮されています。
1200年以上も前に詠まれたにもかかわらず、現代の私たちにも深く響くのは、そこに変わらぬ真理――親子の愛情があるからなのでしょう。

親子の深い愛は、人と人とが社会の中で支え合って生きていくうえで、根っこにあるべきものだと思います。
人を思いやる心。誰にとっても大切で、言葉にするまでもないことですが、ふと自分の日々の言動を振り返ると、その気持ちが少し薄れてしまっていることもあるかもしれません。

聖ホセマリア・エスクリバーの言葉に、こんな一節があります。
「愛徳は『与えること』よりも、むしろ『理解する』ことにある。
それゆえ隣人を判断する義務があるときには、その人の言い分を捜してあげなさい。
必ず見つかるはずだ」
(『道』463)

今月のモットーは「敬愛」。
一日の終わりにこの言葉を思い出しながら、自分の行動や言葉を振り返り、少しでも人に優しく、心を寄せる日々を送りたいと思います。

カトリックの教えについて、もっと詳しく知りたい方は、以下のリンクをご覧ください。
精道三川台中学・高等学校「カトリックの教え」
オプス・デイ ジャパン「信仰を育む」

本校では、毎日の生活の中で、特に注意して果たしていく徳目を月ごとに決めています。
児童生徒のみならず、教職員も意識し、それぞれの年齢にあった目標を掲げています。
また毎月、学校新聞「たけうま」に教員が交代で、その月のモットーについて書いています。
各月のモットーは、以下の通りです。

モットー
4月 礼儀
5月 敬愛
6月 勤勉
7月 友情
8月 英雄的瞬間
9月 責任感
10月 誠実
11月 秩序
12月 寛大
1月 清貧
2月 剛毅
3月 感謝

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